日々、書く仕事

2018年からライターへ。ずっと心の中で思い続けてきた「書く仕事」がしたいという気持ち。これまで遠まわりもたくさんしてきたけど、本音で生きることに決めました。

単価によって対応を変えてはもったいない。けれど長く働きたい。葛藤。

新卒で入社した会社は、新宿に本店のある百貨店の旅行カウンターだった。そこで3年2カ月ほど働き、最終的には体調を崩し辞めることとなったがとてもよい経験だった。

 

とくにいろんなお客様と出会えたことが大きい。百貨店というのもあってか、お金にゆとりのある人が多かった。ただ本当にお金のある人は、価値あるものにお金を惜しみなく使い、納得しないものにはお金を払わない、損をしない方法を探すという特徴に気づく。

 

あるとき、お客様から名古屋で一番安いビジネスホテルに泊まりたいという要望を受けた。変なところに真面目な私は「一番」と言われると、適当に答えられずすべてのパンフレットを見比べてから計算。

 

それでも本当に安いのかと聞かれると不安になり、とにかく接客に時間はかかったが、最終的にお客様は満足をして帰っていった。

 

それから何か月して、同じお客様が今度は家族でハワイへ行きたいと言って私宛に訪ねてくれた。しかも飛行機はビジネスを使いたいという。金額は夏のトップシーズンだったので、軽く150万円は超える。名古屋の安いビジネスホテルを探していた人と同一人物とは思えない。

 

その時に思ったのが、安い旅行だからって接客に手を抜かなかったから信頼をしてくださったんだなということ。

 

そしてそういうお客様は1人ではなかったのだ。

 

つまり安い条件でも変わらず真摯な対応を心がけると思わぬことが起こる。もちろん、すべてのお客様がそういう訳ではない。だけど金額によって対応を変えるのは私にとってはリスクがあるように思えてならなかった。

 

あれから10年以上経っているが、経験の中で学んだことが忘れられず、ライターになってからもどんな単価でも気を抜けないし、気を抜いたこともない。どれも懸命だ。

 

ただし間違えちゃいけないのは、かつて旅行会社にいた時はお給料が出ていたこと。今は自分が働いた分がそのまま生活費に直結する。フリーランスとして、長く働いていくからには、自分がどの程度を稼がなければいけないのかを意識しなければ続けることはできないのかなとも思う。