耳を傾けるように
これまで読書といえば小説かエッセイばかりだった。気になるビジネス書は読むけれど、あくまでも知識を得るためであって、楽しむものではないと思っている。(知らないことを知ることは楽しいが)
ところが最近、インタビュー本や対談本をよく読むようになって、世の中にそういった類の本が多いことに気付いた。それがおもしろくてしかたないのだ。
エッセイが作者個人の独白だとしたら、インタビューは必ず他の誰かと関わって生まれたもの。たとえば、わたしの好きな作家さんでも、その方がエッセイで書かれているものと対談本では印象が異なる。そういう一面があったのかと新たな魅力に気づいてうれしくなる。
もともと、喫茶店など隣の人たちの会話をこっそり聞くのが好きなわたしは、なんだか本を通しておしゃべりに耳を傾けている気持ちになる。(つい笑ってしまったり、これネタにしようと思ったり)
1人で働いていて、誰かとおしゃべりがしたくなったら、対談本を開いて弾んでいる会話に耳を傾けてみよう。そこには人がいる、そう思うだけで気持ちが落ち着く。